鹿の舟のいま

夏の夜

お盆を過ぎ、気持ちを新たに仕事に復帰された方も
多いのではないでしょうか。


奈良町では雨が続き、少し涼やかな気候になりました。

[鹿の舟]では、ひぐらしの鳴く声も聴こえ、
夏の終わりと、秋への季節の移ろいが感じられるようになりました。

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お盆の起源は、お釈迦さまの弟子である木蓮が、
亡くなった自分の母親が餓鬼の世界で苦しんでいることを知り、
お釈迦さまに相談した際に、修行を終えた僧たちに
心から供養するようにと説かれたことが始まりとされています。

その日にちが旧暦の7月15日であり、お盆の始まりとされています。


お盆に奈良に帰省された方の中には、
夏の夜を楽しまれた方も多いのではないでしょうか。


奈良の夏の夜の風物詩「燈花会」。

連日、多くの方が足を運び、
ろうそくの灯りに包まれた景色を楽しんでおられました。

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夜空の下で灯るろうそくの美しさはもちろんですが、
逢魔時(おうまがとき)、夜に包みこまれる少し前の、
薄暗い中で灯るろうそくもまた、幻想的な雰囲気を生み出します。


春日大社の「中元万燈籠」。

所願成就を願い、約3000基のろうそくの灯りに灯された釣燈籠が
幻想的な空間を作り出しています。

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高円山の「奈良大文字送り火」。

戦争で亡くなった方への慰霊と世界平和を祈るための祭典で、
神式と仏式と両方で慰霊が行われます。

「大」の字は、人間の煩悩の数とされる108つの火床で成り立っており、
他の地域で行われる大文字と比べ、日本一の大きさを誇ります。

春日大社の燈籠の中には、送り火を表現したものもありました。

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送り火と同日、東大寺では「万灯供養会」が行われました。

お盆に帰省できない人々にも、ご先祖の供養ができるようにと始められ、
約2500基の灯籠の灯りが境内を包み込みます。

大仏殿の正面にある観相窓が開き、
大仏さまのお顔を参道から拝むことができます。


また、昨日から「ならまち遊歩」が始まりました。

奈良の町並みを提灯が優しく灯します。

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夏の夜、風情溢れる奈良で過ごす時間もまた、乙なひと時です。

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