鹿の舟のいま

冬至

「春日若宮おん祭」が終わると、本格的な冬を迎えると言われる奈良。

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写真/春日若宮おん祭 暁祭

今年で882回目を迎えたおん祭は、春日大社の摂社である若宮神社の例祭で、
五穀豊穣や万民安楽を願い、行われます。

17日の午前零時に行われた、
若宮さまが、若宮からお旅所御仮殿にお遷りになる「遷幸の儀」は、
土日を跨いだこともあり、多くの方が足を運んでいました。

おん祭は、奈良を代表する冬の催事です。

おん祭も終わり、この数日は冬の冷え込みもとても大きく、
日増しに日の入りが短くなっており、
明日には二十四節季の冬至を迎え、1年で最も夜が長い日となります。

冬至を境にして昼が長くなるため、
中国の太陰暦で冬至は暦の起点とされていました。

冬至には、かぼちゃを食べ、柚子湯に浸かる習慣が今も残っています。

かぼちゃは「ナンキン」と呼ばれ、
「ん」がつく食材を食べると病気にならないと言われていました。
人参や大根なども「ん」があるので良いとされています。

柚子湯は、冬至(とうじ)から
湯治(とうじ)と言葉を掛けて、生まれたとされています。

柚子は、香りに厄を祓う力があると信じられており、
お風呂に入れるなどして体を温め無病息災を願うことで、
夜を越していたようです。

冬至に奈良町内の銭湯に足を運ぶと、柚子の香りが広がります。

また、柚子には「融通(ゆうずう)が利くように」という
願いも込められています。

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冬至を越えると、より寒さも厳しくなります。
奈良町を散策される際は、温かくしてお過ごしください。

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