展示のご案内

奈良東部の初夏めぐり 月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて 展 開催中です

「奈良東部の初夏めぐり 月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて展」 始まりました。

tennjisiitu 02.jpg


tenji 04.jpg


自然豊かな月ヶ瀬で大和茶を作り続けている茶農家の方が
大切に保管しているお茶の古道具と、
その茶農家の方が茶葉と真摯に向き合う様子を
切り取った写真を展示しています。


「繭」を入るとすぐ、ティーファーム井ノ倉の
古道具と新茶が迎えてくれます。

tea.jpg


本来の役目を終えた道具たちが、
多くの方の目に触れることでお茶づくりの文化を伝えます。


好奇心を持って道具を見つめる子供たちは「格好良い!」と声に出しながら、
「箕」を田植え等で使ったことのある方は懐かしいと呟きながら、
幅広い世代の方に楽しんでいただいています。

展示室に足を踏み入れると、鳥のさえずりが蔵の中に響きます。

優しい鳴き声が心地よく、耳を澄ませながら展示をご覧いただけます。



蔵に足を踏み入れてすぐ、
手揉みで使う「焙炉(ほいろ)」が目に飛び込んできます。

焙炉に張られた和紙は使い込むことで深みを帯びた風合いになり、
その度に和紙を貼り換えて使い続けます。

焙炉 和紙.JPG


焙炉の上に蒸した茶葉を広げ、素早く茶葉を揉みます。

全身の力を込めて揉むことで茶葉の水分を飛ばしていくと、

最後は1/10ほどの量になります。

仕上がった茶葉はつやのある深い緑色が目に美しく、
針のように細くなります。


「摘菜鋏(てきさいはさみ)」も展示しています。

昔はずっと手摘みで収穫していた茶葉。

鋏が使われ始めたことでお茶の収穫量がぐんと伸び、
茶農家の方の仕事の負担もだいぶ減ったようです。

後に袋付きの鋏が作られると、こちらも大きく普及します。

道具に凝らされた工夫を辿ると、とても面白いです。


鋏.jpg


今では機械摘みをする茶農家が多い中、
道具を通して時代の変化や当時の知恵を垣間見ることができます。


蔵の2階は写真展の会場になっています。

月ヶ瀬を代表する2人の茶農家の、手仕事の雰囲気が感じられる、
ぐっと惹きつけられる写真が並びます。

撮影された写真家も、月ヶ瀬に住んでおられます。

茶葉に愛おしそうに触れている姿や、
焙炉で手揉みをしている瞬間を撮影した写真。

写真家の方と茶農家の方との信頼関係があるからこそ切り取れる、
その一瞬を収めた写真の数々が並びます。

茶pic.JPG


一番奥では、茶畑の美しい風景写真が迎えてくれます。


7月に入ると、二番茶の時期を迎えるため、
茶農家の方は休みなく働きます。

今回の展示を通し、大和茶の味わいが多くの方に愛される、
その理由を感じてもらえれば嬉しいです。


-------------------------------------------------------------------


奈良東部の初夏めぐり
月ヶ瀬の大和茶づくりを訪ねて 展

開催期間/6月17日(土)→7月30日(日)
9:00→17:00(年中無休)
場所/[鹿の舟]繭Mayu 展示室

-------------------------------------------------------------------

読書室・展示室のページへ戻る

日本語   |   English