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月乃音 中国茶稽古 11月開講

月乃音 中国茶稽古記録 11月
於studio noix
雨/気温11℃/湿度78%

広東烏龍茶と潮州朱泥茶器 宜興から潮州へ

江蘇省宜興窯
宋代ー生活用品や花器、壺や雑器
明代ー茶器、神器
宜興黄龍山の豊かな紫砂鉱石が元となり、茶器が広まる
書や彫刻などの芸術表現が文化の礎となる。緑茶が主流

清代以降ー烏龍茶の産地福建省や広東省の茶人が単叢茶や岩茶を深め
潮州の職人が宜興へわたり茶器づくりを学ぶ
やがて広東省楓渓窯では紫砂を改良し「潮州朱泥」による
「潮州功夫茶式」文化を発展させた
※轆轤を回して整形、削磨き複雑な工程が特徴

海に面し、養分を存分に含む土壌に広がる広東省
よって茶道具に向いた自然素材(土や鉄や木樹)が
豊富なため、文化の発展の大きな要因となった

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月桂樹
枕元に入れると吉夢を招く、縁起の良い植物
薬効/強肝作用、健胃作用、食欲増進、鎮痛作用など
フレッシュな月桂冠の葉を4~5分煮出し、ほんのりと淡い黄緑色に
清涼感と滋養味あるふくよかな香り
冷えた身体をあたためる一福の月桂樹茶

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鳳凰単叢
広東省潮州烏楝山一体
南宋時代より野生の茶樹を保護、後の優良品種の基礎となる
清代以降、単一の木樹より製茶。「単叢茶」の名が付く
100種類近い品種があり、すべて香りにより名付けられる

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鴨尿香、黄杷香、肉桂香、夜来香、芝蘭香
※いずれも同じ茶人の製茶による(環境、技術)

芝蘭香/2024年春
清らかに澄み渡る香り
「バター」「ミルク」「桃や杏」「香ばしいナッツ」・・
生徒一人一人が香りを表現する言葉を辿り新たな発想に豊かな時間が流れます
一煎ずつ濃厚に、深まる香りに集中
煮水器の蓋が熱湯に揺れ、茶淹れの合図に熱々の芝蘭香

鴨尿香/2024年春
青みが強く、焙煎の柔らかな香り。
飲み進めると苦み、口の中に渋みがゆっくりと、とろみも感じられる
焙煎により黒に近い茶葉の色。焙煎の方法、技術により茶葉の色と比例しない
やわらかな香りはまさに茶人の力量と技術によるもの
いつまでも茶杯の香りに惹きつけられる、素晴らしい手仕事

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合間にいただく茶菓子は乃月先生お手製の紅玉の焼き林檎
軸にはラプサンスーチョンの茶葉がつめこまれ
甘酸っぱい風味に茶葉のほのかな香りが移ります
あたたかく柔らかな食感に茶の香りが重なり
身体と心が喜ぶ、やさしい美味しさ
嬉しいお土産も楽しませていただきました

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身体に残る香りは12月稽古に繋がり、学びが積み重なり深まります
乃月先生の纏う気配に惹きこまれ、実践を続けるお稽古
次回12月16日(火)開講です

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