かまど
「食堂 竈」のかまど焚きの炊き立てのご飯。
ふっくらとした歯ごたえやお米の甘みがしっかりと感じられ、
お味噌汁やおかずとの相性も抜群で、お箸が進みます。
皆さまに美味しいご飯を食べていただくため、
竈では一日に何度もご飯を炊きあげます。
そうして使い込まれたかまどは、深みのある風合いになってくるとともに、
酷使している分、痛みもでてきました。
毎日頑張ってくれたかまどで、
これからも美味しいご飯を多くの方に食べていただくため、
作って下さった職人さんにメンテナンスをしていただきました。
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かまどについている煙突は、ご飯の炊きあがると白い煙を出し、
外からでも炊きあがりの瞬間を知ることができます。
まずは、煙突・煙道を掃除し、詰まっていた灰を取り出します。
煙突が綺麗になり、次はかまどを直します。
かまどは地域によって特徴があり、
奈良のかまどの多くは瓦を使用して作られています。
朝・昼・晩と、家庭で使用する分には問題のないかまども、
何度も薪をくべ、高温にさらされてきたことで
黒かった火袋の瓦が白くなり、ヒビが入っていました。
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より高温に耐えられるように、今回は耐火レンガで手直しをしていきます。
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かまどの勾玉の形を作っている土、瓦の土、レンガの土、
見た目は違っても、元々は同じ土から作られたもの。
かまどご飯が自然素材の恵みを受けて炊きあがることで、
より美味しく感じていただけるのではないかと思います。
次は、焚口を直します。
何度も開閉を繰り返したことで緩みが生じた焚口を直していきます。
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かまどの土と焚口の鉄。
土と鉄は異なる素材のため、混じり合うことがありません。
だからこそ土の部分で綺麗に切り出し、再び土で留め直すことができます。
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最後に、お釜をはめ込む部分にも手直しをしていきます。
釜つばと呼ばれる輪の部分を一度外し、表面を少し削り、仕上げ直します。
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竈に使う土には、藁や麻が混ざっています。
藁や麻の細かさで土を使い分け、表面の仕上げを行います。
また、削った部分をよく見ると土が層になっており、
藁が混じっているのが分かります。
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火のすぐそばにもかかわらず藁が燃えずに残っているのは、
土に耐熱の効果があるためです。
毎日使う道具こそ、
「きちんと手入れをし、丁寧に使い続ける」
という事の大切さを改めて感じます。
綺麗に修繕してもらったかまど。
スタッフにとってはまるで家族のような愛着がありますので、感慨もひとしおです。
3日間のお休みをいただき、今日からまた、美味しいご飯を炊き上げますので、
皆さま是非、竈のお食事をお楽しみください。
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