鹿の舟のいま

いまむかし散歩道 東大寺・春日大社周辺

新緑の候、青い空が広がる奈良公園を歩きました。

今回の散歩コースは奈良公園中央の浮雲園地から若草山に向かい、

春日大社の参道から奈良公園へ戻る経路です。

所要時間はおおよそ一時間半。気軽に楽しく歩ける散歩道でした。

スタート地点の浮雲園地は、東大寺と春日大社に挟まれた広場です。

鹿がのんびり草を食んでいる姿をさっそく見つけました。


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周辺には若草山の他、奈良国立博物館や奈良春日野国際フォーラム甍があります。

ここから若草山へ向かう舗装された道を進むと両側に桜の木がそびえています。

春先には桜の花が満開になり、新緑の頃は瑞々しい若葉が心地よい素敵なビュー

スポットです。

秋の紅葉の時期も大変美しく、撮影に勤しむ方もちらほら。

奈良らしい写真が撮れそうです。

浮雲園地周辺は花と鹿が好きな方が一層楽しめる場所と言えるでしょう。

私たちにとってどれも同じように見える鹿ですが、その個性は様々。

人懐っこく接近してくる鹿もいれば、怖がって遠目にこちらを伺う鹿、

日向ぼっこで目を細めてお昼寝をする鹿もいます。

写真の鹿は頭に付いたなにかを振り払っているしぐさをしていました。

まだあどけなさが残る若い鹿です。

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坂道を進むと眼下に東大寺の大仏殿の屋根の端が見えます。

手向山(たむけやま)八幡宮は東大寺が建立された天宝聖宝元年(749)

に九州豊前国(大分県)の宇佐八幡宮から東大寺の守護神として

勧請され祀られた神社です。

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春日大社のお使いが鹿であるように、八幡様のお使いの動物は鳩。

向かい合う鳩が社紋になっています。

日本の伝統文様である亀甲文様に囲まれた二羽の鳩の胸には大きなハートが見えます。

あたたかな慈愛と日本の伝統を連想させる素敵なデザインです。

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手向山八幡宮と言えば、菅原道真が紅葉の美を歌った和歌が有名です。

「このたびは 幣(ぬさ)もとりあへず 手向山 もみぢの錦 神のまにまに」

現代語で言うと

「今回は神さまにお供えする幣も用意出来ませんでしたが、

手向山の紅葉を捧げます。どうか神さまの御心のままにお受け取り下さい」

といった意味になります。

桜はもちろんのこと新緑、紅葉、落ち葉など四季折々の景色が全て美しい神社です。

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手向山神社から若草山の入口に向かって南へ進みます。

周辺は墨、一刀彫、刀剣など奈良の伝統工芸品のお店が並んでいます。

若草山のふもとの心地よい日差しの中、また鹿が昼寝をしていました。

初夏の日差しを満喫している様子が見て取れます。


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若草山から春日大社へ向かうと巨木がそびえ立つ広大な森が広がります。

たまたま居合わせた鹿が参道を先導してくれました。


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苔のむす石灯篭から小さな顔をのぞかせる小鹿に見送られながら道を往きます。

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春日大社の本殿にお参りし、参道の坂を下って進むと、三条通へ出ます。

ここからJR奈良駅は長い一本道。

以上、奈良らしさと歴史の息吹を堪能できるお散歩道でした。

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