鹿の舟のいま

味噌

日本が誇る発酵食品「味噌」。

 

 

雪がしんしんと降り積もり、今日のように冷え込む日には

温かいお味噌汁の風味がいつもに増して恋しくなり、

心と体に染みわたります。

 

 

私たちが昔から親しんできた日本食として、

白いご飯とお味噌汁の組み合わせを連想される方も

多いのではないでしょうか。

 

「食堂 竈」の定食で出しているお味噌汁も、

香りが食欲をそそり、かまど炊きのご飯をはじめ、

主菜・副菜それぞれの味わいを引き立ててくれています。

 

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味噌は「手前味噌」、「味噌をつける」など、

多くの慣用句やことわざにも使われていますが、

あまりにも身近なため、その奥深さ、存在の大きさを

つい忘れてしまうほどです。

 

 

そんな味噌の歴史は長く、起源には諸説ありますが、

奈良時代の書物に「未醤(みしょう)」という食物が

租税として納められたという記録があり、

これが現在の味噌の前身とされています。

 

平安時代には貴族階級の高級食材で酒の肴や薬としてそのまま食され、

今のような汁物として頂くようになったのは、

鎌倉時代に武士の一汁一菜の食生活が始まってからとされています。

 

その後、室町時代に農民たちが自家製の味噌作りを始めたことで、

庶民にも広まりました。

味噌料理の多くがこの時代に作られたと言われています。

江戸時代には現在のように調味料として用いられ、

多種多様な味噌が全国で作られるようになりました。

 

 

また、味噌がふるさとによって味も色も異なるのは、

原料の米麹、麦麹、豆麹といった麹の種類や比率に加え、

発酵熟成中の微生物の働きが気候や風土によって変化し、

そこに熟成の場所の違いなども加わるためです。

 

味噌蔵には「蔵くせ」という、その蔵特有の菌が生息し、

独自の風味を醸し出すとも言われています。

 

また、使用される穀物と麹の違いも味噌の味に大きく関わります。

 

穀物由来の麹が多いとデンプンが糖に変わるため甘くなり、

大豆が多いとアミノ酸が増えて旨みが増します。

 

 

夏は少し辛めの赤味噌でさっぱりと、

冬は甘めの白味噌でまろやかに、

 

といったように、季節に合わせて使い分けることも、

味噌をより味わうための工夫の一つです。

 

 

「味噌は医者いらず」

 

この言葉は、味噌の豊富な栄養を表しています。

 

健康食品として欧米でもmisoと親しまれている一方で、

国内では味噌を使った料理やお味噌汁の消費が少なくなっており、

2000年以降は生産量が減ってきているのも事実です。

 

 

「手前味噌」という言葉の由来を辿ると、

味噌がもともと各家庭で大切に仕込まれていたことが伺えます。

 

味噌を仕込む時、触る時、

それを教わった人や家族に想いを馳せる方も多いのではないでしょうか。

 

また味噌を手作りすると、時間の経過とともに

変化していく味に触れることが出来ます。

 

これは季節や気候の変化を味噌とともに感じながら生活するということで、

そのような豊かな時間をくれる、味噌はやはり愛すべき生活の相棒ですね。

 

 

「観光案内所 繭」では、味噌の魅力を多くの方に知っていただくため、

来月に「みそ作り教室」を開催いたします。

 

味噌は年の初め、1月から3月が仕込みに適した時期になります。

 

寒い時期は熟成がゆっくり行われるため、味に深みが増し、

空気中の雑菌も少ないために良いとされています。

 

 

今日降り積もった雪で奈良町は白く染まっています。

散策の際には雪景色をお楽しみ下さい。

 

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