鹿の舟のいま

杉玉

青々とした杉の葉が美しい「杉玉」。

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昨年から「観光案内所 繭」と「食堂 竈」で飾っていた「しるしの杉玉」は
茶色く色付き、昨日、1年間の役目を終えて、本日より新しくなりました。

新酒ができた頃、酒蔵は青い杉玉を軒先に吊るし、
杉玉が次第に茶色く移り変わる様から、お酒の熟成具合をみてとります。


この杉玉は、桜井市にある「大神神社」のご神木で作られています。

大神神社は、「三輪山」をご神体としてお祀りする日本最古の神社であり、
杉玉発祥の地と言われています。

三輪山は、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が鎮まる神の山として
古来より信仰されています。

日本書紀には、大物主神のご神助によって美酒を造られたと記されており、
中世から近世になると、大物主大神のご神威が宿る杉の葉を束ねた、
「酒箒(さかぼうき)」や「酒ばやし」と呼ばれるものを
酒屋の軒先に吊るし始めました。

後に、今のような杉玉の形になり、酒造りの象徴として、
今日に至るまで酒蔵や酒屋の軒先に吊るされるようになりました。

毎年、11月14日に「醸造安全祈願祭(酒まつり)」が行われ、
杜氏や酒造家、その関係者が新酒の醸造の安全を祈り、
前日には、拝殿と祈祷殿の向拝にある大杉玉が新しく取り換えられました。

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奈良町にも酒蔵があり、杉玉も吊るされていますので、
秋の散策に、お酒を嗜んでみてはいかがでしょうか。


また、本日より[鹿の舟]繭の展示室にて、
「奈良東部の冬めぐり 月ヶ瀬の織子を訪ねて 展」を開催し、
古い機道具を展示しています。

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奈良町散策に、こちらも合わせてお楽しみください。

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