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月乃音 中国茶稽古 10月開講

月乃音 中国茶稽古記録 10月
於studio noix
曇り/気温17℃/湿度60%

閩南烏龍茶と宜興紫砂茶壺

宜興
中国大陸東部江蘇省宜興市太湖の西北に位置し
世界茶器史に重要な陶業の県級市

乃月先生が上海より現代作家趙兵氏を訪ねたのは「宜興丁蜀鎮」
宜興には紫泥、朱泥、段泥にはじまり、様々な色の土が見られ
その総称を「紫砂」と呼びます
紫砂は鉄分豊富、乾燥焼成の収縮率がわずか、などの性質をもち
特に茶壺に適した土質は陶器でありながら軽く、磁器のように軽い土
豊かな味と香りを引き出す土として名高い茶壺
今月は宜興茶壺と金銀花茶、閩南烏龍茶肉桂、宜興紅茶を学びます

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金銀花(スイカズラ)
浙江省杭州
福慶叔叔氏作

金銀花の根、蔓、花すべてを摘み、乾燥させいただくお茶
軽やかな花の甘み、蔓や根から根野菜のような深い苦みや渋みが感じられます
薬効・・血糖値を抑える、胃腸の疲れを癒す、解毒作用など

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肉桂
2025年穀雨~立夏
福建省泉州安渓県大坪
標高850mー1038m安渓南線大坪郷鶏頭山
品種/肉桂、原生種烏龍茶

茶壺
光貨/球や幾何形を基本とした造形

甘み、旨み、渋みが際立ち、茶杯に残る香りはトロピカルな果実味
まろやかな口当たりに少しずつ酸味が加わる変化もまた楽しい茶
熱々の熱湯で、烏龍茶の香りを引き立てます

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「できるだけ所作を端的に」茶の特長をとらえ、味わうために
必要な所作と身体の動きに気を配り集中

ほっこりと味が染み込み、もちもちとした食感も味わい深い粽をおともに、
ほっと一息の茶が進みます
一枚一枚の茶葉はゆるやかに広がり、青々しい香りがふわりと漂います

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宜興紅茶
2025年春
江蘇省宜興市天目山脈茶区

茶壺
筋紋/筋や陰影や線のデザインを茶壺全体に表現する

蜂蜜のような甘み、酸味、苦み
特有の苦みが心地よく、口の中で長い余韻が残る紅茶
香りを味覚としてとらえ言葉で表現することの積み重ね
宜興茶壺の成り立ちや見方を学びます
甘酸っぱいなつめや梅の干菓子、ナッツと紅茶の組み合わせ
心地良い緊張感の中、思わず笑みがこびれるひとときです

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乃月先生の宜興への旅
地図を広げ先生の茶を学び、まだ見ぬ景色を眺め想像する稽古時間

次回11月25日(火)開講

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