刺し子の時間 開催いたしました
秋晴れの青空が心地良い11月19日(日)、「刺し子の時間」を開催いたしました。![]()
繭では初めての開催でしたが、小学生から大人の方まで、
幅広い世代の方にご参加いただきました。
開催場所は、繭の読書室。
蚊帳に包まれた空間で、蚊帳生地で作られた「白雪ふきん」に刺し子を施します。![]()
江戸時代には蚊帳生地で栄えた奈良町。
繭の建物は、蚊帳の製造業をしていた方の分家を活用しているため、
昔から、蚊帳生地との深い関わりがあります。
刺し子をする前に、講師の岩橋先生より刺し子の歴史を学びます。
青森県のこぎん刺しをはじめ、全国に数ある刺し子。
昔は、布地の補強や防寒など、実用的な意味合いが強かった刺し子ですが、
時代を経て、装飾的な意味合いも出てきました。
また、先生は、刺し子の起源は、奈良の僧が粗末な端切れを
縫い合わせて着ていた袈裟(けさ)ではないかと話されます。
歴史を紐解くことで、奈良の地で作られた蚊帳生地のふきんに、
奈良の地で刺し子をすることへの、特別な想いを感じます。
参加者の中には、昔から刺し子を楽しまれていた方もおられ、
自身で縫い上げた作品をお持ちになる方も。
丁寧な手仕事に、ため息がこぼれます。
刺し子のことを知った後は、
日本の伝統文様を刺し子で施した見本を参考に、
それぞれお気に入りの柄を選び、ふきんに下描きをします。![]()
柄を描けた人から、お気に入りの糸を選びます。
糸は、この日のために岩橋先生が草木染で染め上げたものを
ご用意いただきました。![]()
栗を用いた秋色の糸をはじめ、藍や茜など色味もとても豊富で、
どの色にしようか皆さまじっくり選ばれてました。
単色で縫い上げる方、色を組み合わせて縫い上げる方と、
皆さまの個性がふきんに表れます。
午前中は心地よい静けさの中で、
午後からは、ときに参加者同士で語り合いながら、ちくちく針を進めます。
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ひと段落着いたところでお茶の時間を設け、
参加者同士で感想を述べたり、先生に質問を投げかけます。
今回の教室では刺し子に集中できても
家では忙しくて時間がなかなか取れないと話す方は、
先生がどのように刺し子の時間をやり繰りしているのか尋ねられ、
会話から、皆さまの刺し子への想いがより強まったように感じられます。
ご参加いただいた皆さま、有難うございました。![]()