奈良の注連縄つくり 開催いたしました
年の瀬が迫るなか、今年で4回目の開催となる「奈良の注連縄つくり」を行いました。
[鹿の舟]で育んだ稲わらを用いて、奈良の注連縄を作り、
山の神である年神様をお迎えする準備を進めます。
今年の田んぼでは、うるち米ともち米を2種育てており、
今年の教室では、もち米の稲わらを用いて開催いたしました。![]()
講師のKiKusa 堀之内さんは松阪の出身で、実家の屋号との関わりから、
注連縄の作り方を多くの方に伝えていくことへの意味を見出し、教室を開いてくれました。
自然の恵みが詰まったKiKusaの注連縄つくり。
まずは皆さんで自己紹介を行い、お互いを知ってから作業に入ります。
最初の関門である藁を綯う(なう)行程では、
初心者の方も、経験者の方も、勝手を掴むまでに苦労され、
何度かやり直しながら、形にしていきます。![]()
慣れない藁の扱いに、隣同士で確認し合い、協力し合いながら作業は進みます。
一昔前には、多くの家庭で作られていた注連縄。
参加者の中には、祖父が作っていたのを見たことがあると仰る方もいましたが、
今では作り方を知っている人は、少なくなりました。
堀之内さんは、日本の良い文化を後世にも伝えていきたいと想いを持って、
注連縄つくりを伝え続けて来たと語ってくれました。![]()
少しずつ、形が見えてくることで、行程に楽しさが生まれます。
また、午後の部には親子での参加もあり、一生懸命取り組むお子さまの姿に、
日本の良き文化が継承されていくことへの嬉しさを感じます。![]()
藁の形が整ったら、お飾りを取り付けていきます。
紙垂(しで)、裏白、「笑門」の木札、金柑。
それぞれの意味を学びながら、ひとつずつの行程を進めていきます。
紙垂は、奈良でよく見かける「吉田型」。
伊勢の注連縄とは、形が異なります。
裏白は、山に自生しているものを、様々な大きさでご用意くださいました。
大ぶりなものと小ぶりなもの、裏白一つで印象が大きく変わります。
「笑門」の札と、札を取り付ける本麻。
本麻も、いまではほとんど見かけなくなりましたが、かつての注連縄は、
紙垂の部分も麻が用いられていたと言います。
金運の意味もある金柑。
小振りなサイズの今回の注連縄にぴったりの大きさです。
少し青いものから、きれいな橙色のものまで、こちらも色味で雰囲気が大きく変わります。![]()
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最後に、形を整えれば完成です。
皆さま少しずつ、大きさや形に個性が生まれ、他にない注連縄飾りとなりました。
完成した後は、一人ずつ感想を共有し合い、教室は終了となります。
3時間と長い時間となりましたが、参加者の皆さま、お疲れ様でした。
古より大切に守られてきた年神様への人々の想いが込められた注連縄飾り。
大切な文化守り受け継ぐことの大切さを感じたひと時となりました。